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最終回を自己最高の世帯視聴率で終えた杏主演『偽装不倫』。
東村アキコ原作の同名漫画が原作で、主人公・濱鐘子(杏)が、ひょんなことから独身を隠して既婚とうそをついてしまったことから始まるコメディードラマだ。

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杏主演『偽装不倫』


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■第1章から第2章へ

第1章が終わる第8話まで、鐘子がうそをついていたことを打ち明け、本当の気持ちを伝えた。
ところが丈(宮沢氷魚)は突然冷たくなってしまった。あっさりと別れを告げ、二人の恋は終わったように見えた。

一方で姉の葉子(仲間由紀恵)の方は、プロボクサーの風太(瀬戸利樹)との不倫から、夫・賢治(谷原章介)との仲がギクシャクしていた。
昔からなぜか、夫の浮気は、妻が許す傾向にあるが、妻の浮気は悲劇を生むことが多い。夫の寛大な愛と共に乗り越えていく夫婦もいるが、多くの場合は耐えられない男が多いようである。

葉子と賢治の場合は、葉子の両親と2世帯住宅で暮らしている。
優しく穏やかでイケメンの賢治は、誰もが憧れる理想の旦那さん。しかも葉子は、かなり愛されて暮らしてきた。
ところが、キャリアウーマンとして仕事に専念していたと思い込んでいた妻の裏切りは、衝撃が大きすぎたようだ。

賢治は、嫉妬と怒りで、こっそりと葉子の後をつけたり、引き出しの中を漁ったりしていた。ねっとりと狂っていく賢治を、誰が責めることはできるだろうか。
人を好きになる気持ちに罪がないのと同様に、嫉妬に苦しむ気持ちにも過失はない。

一方、仮面夫婦を続けてきた葉子だったが、ある日偶然再会した風太にうそをついていたことを正直に謝った。そして、それがきっかけで、気持ちに変化が現れる。

■人生は虚実皮膜

姉も妹も、相手にうそをつきながら不倫をしていた。
ただし本当は独身の鐘子が、なぜか既婚者のフリをしていた。そして既婚者の葉子が、独身のフリをしていた。なんという皮肉な関係だ。

しかし、どちらもうそをついていなければ、始まらなかった恋だったようだ。
では二人の恋は、始まらなかった方が二人にとって幸せだったのだろうか。

人は一度うそをつくと、うそがバレないように別のうそで、うそを固めなければならなくなる。
架空の事実を覚えていなければいけないし、続けていくには、かなりの記憶力ととっさの対応力も必要だ。ある意味、賢くなければ続けて行けないのである。

そういう政治的なテクニックで一時はうまくごまかしたとしても、恋愛という本能的でセンシビリティな本質部分で、自分をごまかし続けるのは、本当はできないのだろう。
「好きだから本当のことを言えなかった」というのは、「失いたくないため」で、"自分にとっての不利益"を恐れるからでもある。ただし、そうした功利的な態度は、ピュアでありたいという本当の心の声に裏切られる。

■昭和から令和への真実

鐘子と葉子の場合、事実をカミングアウトし、恋は打撃を受けてしまった。しかし涙を流し苦しむのが、本当の恋の宿命でもある。

そして最終回。
鐘子と葉子のうそは、思いもよらない展開となる。
鐘子の本当の気持ちを知った丈は、鐘子の為を思って、新たなうそをつき始める。そして自ら、鐘子との関係から身を引こうとする。

一方、葉子の気持ちを知った夫・賢治は、気持ちに踏ん切りをつけるため、突拍子もない行動に出る。相手を思いやる気持ちゆえの、バカげているが思慮深い行動と言えよう。

自分に正直に生きていくことを胸に誓った姉妹は、本当の幸せをつかむことができるのだろうか。
最後の最後に空港で、鐘子はそれまでの恋愛観を大きく変える言葉を発する。
「僕は鐘子さんを幸せにできない。カメラマンを続ける自信もないし......」という丈の言葉を遮り、「そんなの関係ない。私の幸せは私が決める。」
ようやく自らの人生の主人公を自分が演ずる覚悟をしたようだ。

女をかけた男と男の決闘(ボクシング)とか、海外に飛び立とうとする恋人を空港で呼び止めよりを戻すとか、少々昭和の香りがプンプンする最終回になっている。
でも時代は昭和から平成、そして令和になっても、人を恋する人の気持ちは変わらない。感動という読後感を残すドラマは、やっぱり素晴らしい。

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コラムニスト: はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所

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