女子の20代を捨てて勝負!~『セブンルール』野菜直販サイト秋元里奈(28歳)~

2019/9/30 11:20

「ITで農家救いたい!」と、普通の20代女子の生活を犠牲にして勝負する女。
それが野菜直販サイト・食べチョクの社長・秋元里奈(28歳)だ。
彼女の7つのルールは、事業を成功させるために徹底している。

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『セブンルール』ITで農家救う!野菜直販サイト・食べチョクの若き社長


女子の20代を捨てるということ>>

■インターネット通販サービス

Foebes JAPANによる世界を変える30歳未満30人に選ばれた秋元。
24歳の時に、オーガニック野菜・肉・肴(さかな)を農家など生産者から消費者に届けるインターネット通販サービスを手掛けるべく起業した。
同サイトでは、農家が自ら野菜の価格を設定して出品。利用者は450を超える農家からお取り寄せできる仕組みだ。

「私たちがやりたかったことは、こだわって作っている人がちゃんと高値で自分で売って、利益をしっかりとるということ」
個人と個人のやりとりという形なので、コンセプトとしてはメルカリに近い。

参加する農家からの評判も良い。
「デジタルを介しているが、お客さんとはアナログな感じがあって、僕としてはすごく出荷も楽しい」
「誰かの口に入って、おいしいとかのコメントをもらえるのはすごいなあと思います」

■起業するまで

秋元は神奈川県相模原市の農家に生まれた。
慶応大学理工学部卒業後、ディー・エヌ・エーに入社。農業とはかけ離れた生活を送っていたが、実家へ帰省した際、廃業し荒れ果てた畑を目の当たりにし"農家が稼げる世の中にしたい"と入社4年で退職してしまった。前職で培ったITの力で、「農家が報われない現状を変えたい」と起業を決意したのである。

「現役で農業をやっているが、息子には継がせたくないという人がいっぱいいる。そういう風に言わせてしまうってどうなんだろうって。そこに対してすごい課題っていうか悲しいな」
「女子の20代を捨ててでも、やりたいと思って突き進んだ」

農家をITの力で稼げる職業にし、もっと光が当たるようにしようというのである。

■7つのルール

彼女の7つのルールは、ちょっと風変わりだ。
1つ目が「365日 オリジナルTシャツを着る」
要はスタートアップでまだまだ無名なので、とにかくただで宣伝しようという作戦だ。

2つ目は「土日は農家を見学する」
平日はオフィスで、スタッフとの打ち合わせなどがある。しかし農家こそ、彼女の現場だ。よって農家を訪れるのは、スタッフが休みの土日となった。

3つ目は「出張は夜行バスで移動」
もちろん時間とコストを節約するため。土曜に宿泊する際にも、相部屋タイプの格安ゲストハウスや漫画喫茶と決めている。経費の切りつめが徹底している。

4つ目は「ランチの味付けは塩コショウだけ」
会社の昼食は、手の空いたスタッフが交代で全員分のランチを調理する。彼女の当番では、取り扱っている野菜の味を確かめるために、過度な味付けはしない。
ここでも仕事に徹している。

5つ目は「疲れたら一人でQUEENを歌う」
30分で8曲歌える、圧倒的にコスパを優先したレジャーだ。さすがに息抜きは必要だが、最小限の余暇となっている。

6つ目は「領収書は切らない」
取引先やスタッフと食事をする際の決まりだ。
「身銭切ってるのが大事。会社のお金としてこの人と会いに行くっていうのとは意味が違う。その覚悟が相手に伝わるかなって思っている」
いやはや脱帽としか、言いようがない。

最後が「上場するまでオシャレはしない」
つまり全ての決まりが、普通の20代女子の生活を犠牲にしている。

なぜ、そこまで全てを注ぐのか、
「農業ってあまり後がないと思っている。高齢化も進んでいる。あと5年ぐらいが勝負と個人的に思っている」
5年以内に多くの農家が家業を畳んでしまうかもしれないという危機感だ。
「それまでに上場できる規模になっていないのであれば、そもそも私たちっている意味がない」

タイムリミットまで、時々は自分自身と戦いながら、それでもなりふり構わず突き進む。
「友達とウィンドウショッピングに行こうみたいになると、ちょっと辛い気持ちになりながら、やっぱりオシャレしたいなみたいな気持ちと戦ってます」

農家が稼げるような世の中にするという理想に向かい、儲(もう)け度外視で、仕事に全てを注ぐ秋元。
「起業して年収が100万円にになって、今が360万円。前職より全然安い。大金持ちになるみたいなモチベーションだったら、他の業界の方がきっと成功する」

徹底的に禁欲的な仕事と生活ぶりだ。
勝利の女神は、そんな彼女にきっとほほ笑むだろう。そう願わずにはいられない。

女子の20代を捨てるということ>>

文・鈴木祐司 次世代メディア研究所