見るに堪えない宇賀なつみの特技~逆境を笑いに転化する『しゃべくり007』の真骨頂~

2019/9/30 12:27

この春までテレビ朝日のアナウンサーだった宇賀なつみが、フリー転身後初めて他局の番組に出演した。
12年前に受験したが不合格だった日テレで収録された『しゃべくり007』だ。

サムネイル
『しゃべくり007』出演の宇賀なつみ


カワイイけどひど過ぎる宇賀なつみの特技>>

■夜遅くと早朝で5年ずつ

テレ朝に入社したのは2009年。
まず『報道ステーション』で気象・スポーツなどを担当した。次に14年から平日早朝の『グッド!モーニング』サブキャスターに異動。さらに15年からは、『羽鳥慎一モーニングショー』のアシスタントに転じた。

この間に『池上彰のニュースそうだったのか!!』、深夜のバラエティ番組『初めて〇〇やってみた』でMCを担当している。

こうして夜遅い番組と朝早い番組を5年ずつ経験して、フリーに転身した。
個人的な働き方改革が理由だったという。朝明るくなってから起き、夜人に会えるのがうれしいという。
今後はドキュメンタリー番組のナレーションなどにも挑戦してみたいという。

■『しゃべくり007』のシステム

スタートして12年目に入ったトーク番組『しゃべくり007』。
ビデオリサーチの視聴率ランキングで、バラエティ部門ベスト10の常連となる人気番組だ。

MCはくりぃむしちゅーの上田晋也。
相方の有田哲平他、ネプチューンの名倉潤・原田泰造・堀内健、チュートリアルの徳井義実・福田充徳がレギュラーだ。

事前にレギュラーに知らされていないゲストが毎回登場する。要はゲストを弄りながら笑いにしていくトーク・バラエティで、7人のお笑いのプロの腕の見せ所となっている。

■ひど過ぎる宇賀なつみの特技

新人フリーアナとなった宇賀なつみの回では、「アピール007」というコーナーが設けられ、「自慢の特技をテレビ関係者に広くアピールせよ!」ということで、アピール1とアピール2がボードに張り出された。

そのアピール1は、「全力で応援ができる」。
高校時代、チアに憧れたが、なぜか応援団に入ってしまった。番組ではさっそく、学ランとハチマキが登場し、
まず有田を応援する。

発声の前に、宇賀が前後にからだをゆする。
すると上田が「ごめんね、今バキバキって言わなかった......」と割って入る。爆笑が沸き起こる中で、「老体に鞭(むち)打ってやっているような......」と上田がさらなる笑いを誘う。
ちょっとでも間延びしそうになると、笑いという刺激を補充する"お笑いの管理"はさすがだ。

宇賀の応援芸に戻ろう。
「有田ぁ~、哲平ぃ~の~、今後の、大・健・闘を~期してぇ~」(ここでまたして体を前後にバキバキ)。
続いて右手を右に振り上げ「頑張れ~」&体を前後にバキバキ、左手を左に振り上げ「頑張れ~」。またしてもバキバキ。最後の「有田ぁ~」は、ちょっと独特の音程。

この間30秒以上。
かなり微妙な間を作ってしまったが、その反動でレギュラーたちが刺激を速射砲のように充当する。

「なかなかの衝撃映像だぞ」
「応援される側から、お願いだから応援しないでって言われなかった」
「一生懸命やってるけど、ショボい」
「笑い堪えられない」
「何が面白いかも、わからない」

続いて、"7人の誰かが笑ったら負け"と、年末特番『笑ってはいけない』のノリとなる。
すると宇賀は、扇を使った三々七拍子で徳井を応援することに。
ところがこの応援芸が、あぜんとするしろもの。

扇をふりながら「ピッ、ピィ~」と笛の声を宇賀本人が模写するが、ボルテージは下がりっぱなし。笑いを堪える7人の顔アップが次々にインサート。
ひととおり終わったところで「テレビ嘗(な)めてんのかぁ~!」の声。イスに座る6人も一斉にズッコケる。

「これはヒドい」
「いよいよバカにしだしたな」
「やってくれたなぁ」
「こっちが笑わないって言いだしてから、何でそんなの出してきた?」

ついに有田は、宇賀の応援芸を再現し始める始末。
 
そこでカットが変わり、次のゲストコーナーへ転換。
あまりのバカバカしさにアピール2がカットされてしまった。つまり宇賀の応援芸がひど過ぎて、芸人7人が活性化し、結果としてアピール1の撮れ高が最高となった。だから時間がなくなり、アピール2は収録されたが、"全落ち"となったのである。

同番組は、誰がゲストで、どんなハチャメチャなネタが飛び出しても、最高の笑いに転化するプロ芸人が7人も控えている。
この完璧なシステムを思い知らされた宇賀なつみの応援芸だった。
脱帽だ。

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文・鈴木祐司次世代メディア研究所