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関西テレビが制作し、フジテレビ系列で放送の『まだ結婚できない男』が始まった。
初回の平均視聴率は11・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。17年春クールの小栗旬主演『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』の13・9%以来、2年半ぶりの2桁だ。好スタートを切ったと言えよう。

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阿部寛主演『まだ結婚できない男』


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■3層狙いが奏功?

番組公式HPには、「偏屈×独善×皮肉屋の桑野信介がさらに進化」とある。
SNSで見る視聴者の反応も、「13年たっても全然変わってなくてほのぼの」「阿部寛の演技が前と同じで面白い」「13年ぶりの続編としてパーフェクト」などの声が目立つ。前作の平均視聴率は17.1%だったが、それを前提にした制作陣の思惑は、ずばり当たったようだ。

当時の『結婚できない男』では、主人公・桑野は40歳。
なかなか結婚しない/できない男の物語だった。恐らく当時は、"自分事"としてのめり込んだアラフォーが多かったのだろう。そうした視聴者も、今やアラフィフになっている。

視聴率17.1%を支えた、かつてのアラフォーを、制作陣は主なターゲットに据えているに違いない。
番組は冒頭で、厚生労働白書(2015年版)が発表した「生涯未婚率」を引用した。50歳男性の23.4%、女性14.1%が未婚状態だ。ご丁寧に「これは今や、社会全体を挙げて取り組むべき問題」と危機感まで煽(あお)った。

主人公の建築士・桑野も、人生100年時代ゆえ、例え独り暮らしになっても、快適に暮らせる家を造ることを目指すようになっている。
あらゆる設定が、アラフィフにとって"自分事"の物語なのである。

■狙い通りの視聴層だった?

では初回の好調な視聴率は、誰が支えたのか。
関東2000世帯・5000人の視聴率を測定するスイッチ・メディア・ラボによれば、視聴率は67分の間右肩上り基調を続けた。「面白い」と感じた視聴者が多かった証拠だ。

男女年層別の個人視聴率でみると、男性は3-層(50~64歳)と3+層(65歳以上)はほぼ同じだった。ところが女性は、3+層より3-層の方が1.5倍となった。やはりこの年齢層にフィットしたドラマのようだ。

男女年層別の毎分視聴率でも、3+層より3-層の右肩上りの度合いが強い。
例えばF3+層では、冒頭からラストまでに3%の上昇だったが、F3-層では4%強上がっていた。M3+層も2,7%の上昇だったが、M3-層は4%強上り、トータルで倍増となった。

SNSでも、こうしたデータを裏付ける声が散見された。
「歳を取ったせいか、どこか人ごとではなくなってしまいました」
「一段と染みます...」
「前回もそうだけど、今回も時代をうまく切り取ってる」
「こちとら"一生結婚できない男"だわ」
「まさかの自分も笑えない年齢になってきた」

中高年狙いのドラマは、3-層より3+層が多いのが通常だ。
ところが今作は、13年前も"自分事"として視聴し、今回も自らに置き換えて考えている人が多い。前回の17.1%を獲りに走り、さらに"生涯未婚"層を狙うと、3-層中心にして2桁に届くということらしい。

■実は若年層もハマってる!

実は3-層だけでなく、1層やC層も多く見ている点が同ドラマの特徴だ。

F1(女20~34歳)の5.4%、M1の3.8%は、前クールの『TWO WEEKS』よりともに2%前後高い。実はこの層も、SNSの書き込みによれば、前作を小学生の頃に見ていた人が多かった。
「小学生のとき大好きだった」
「小学生の時夏休みよく再放送で見た」
「自分が小学生の頃どハマりしたやつの続編」

さらに小学生を持つ母親の書き込みも興味深い。
「隣で見ていた小学生の息子が大爆笑してて...ああ人と人とのこんな微妙な空気感も理解するようになったのね...などと変な所に感心してしまいました」
なるほど"偏屈×独善×皮肉屋"は、社会性を持ち始めた小学生が反応できる面白いキャラクターになっている。人間の内面を描くドラマとして、良くできた表現ということだろう。

中高年にも、若年層にもヒットしている同ドラマ。どうやら2話以降でさらにブレークしそうだ。

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文・鈴木祐司 次世代メディア研究所

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