福士蒼汰と菜々緒の美しい"禁断の恋"~『4分間のマリーゴールド』は『大恋愛』を超える!?~

2019/10/15 18:03

福士蒼汰主演『4分間のマリーゴールド』が、TBS金曜ドラマ枠で始まった。初回視聴率は10.3%、まずまずのスタートだ。

同枠はこの2~3年、数々の名作・話題作が生まれている。『コウノドリ』(17年秋・綾野剛主演)、『アンナチュラル』(18年冬・石原さとみ)、『大恋愛~僕を忘れる君と』(18年秋・戸田恵梨香)、『インハンド』(19年春・山下智久)、『凪のお暇』(19年夏・黒木華)などだ。

その中で今クールは、『大恋愛』にテイストが似ている。しかも主人公・花巻みこと(福士蒼汰)は、手を合わせた人の「死の運命」が見えてしまう特殊な能力を持つ救急救命士。興味深いテーマも絡み、『大恋愛』を超える感動の一作になりそうだ。

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『4分間のマリーゴールド』出演の福士蒼汰


福士蒼汰と菜々緒が手を合わせるシーンが意味深>>

■期待できるキャスティング

この枠はTBSのドラマ枠としては、日曜劇場に次いで歴史が長い。
もともとはF1~F2(女性20~49歳)と大人をターゲットにしたドラマが制作されていたが、平成に入って以降は若者を主人公とした作品も作られるようになっていた。

今回は本来の大人の女性向けなのだろうが、主演の福士蒼汰を初め、菜々緒・桐谷健太・横浜流星と、10代も意識したキャスティングとなっている。今が旬でかつ実力もある俳優がそろい、視聴者の期待と楽しみを盛り上げている。

中でも主人公を演ずる福士蒼汰は要注目だ。
前クール『Heaven?~ご苦楽レストラン~』では、石原さとみと共演し、クールで優しく安定した性格の役を演じた。特筆すべきは、地味な感情表現の中にも大きな存在感を見せた点だ。
2017年夏クール『愛してたって、秘密はある。』(日本テレビ)では、内気と狂気を併せ持った難しい役を見事に演じ、福士蒼汰の役者としての奥行きと、内に秘めた"ただ者ではない"才能を一気に開花させ、見るものを驚かせた。

今回の『4分間のマリーゴールド』では、「手を重ねた人の"死の運命"が視える」という、超能力を持ちながら、見えてしまった未来を変えようと、運命と戦う救命士を演じる。
彼が直面する重大な運命は、唯一の姉であり、愛する人の最期という、受け入れがたい未来だ。限られた時間をどう生きるのか、"生と死"を絡めた大きな題材のラブストーリーは必見だ。

■期待させる脇役と音楽

ヒロイン役・沙羅には、これまで"強い女"を演ずることの多かった菜々緒が抜擢(ばってき)された。
人間離れした抜群のスタイルに、今までのメイクとは違った透明感のあるキレイめナチュラルな雰囲気。今までの印象を一転させている。ピュアで明るい太陽のような沙羅を、菜々緒がどう演じていくかも実に楽しみだ。

そして沙羅と血のつながった兄弟役を演じるのは、桐谷健太と横浜流星だ。
荒っぽいが責任感の強い長男・廉を桐谷、末っ子だが自立していて料理を任されている高校生・藍は横浜が演ずる。
全く正反対とも言える兄と弟だが、お互いを尊重しあい、沙羅とみことを含めた4人が、それぞれのミッションを誠実に全うし、家族としてのハーモニーを奏でている。複合家族の理想型と呼んでも過言ではない。

原作は、2017年から、「ビッグコミックスピリッツ」に連載された人気の作品で、キリエ作の同名漫画『4分間のマリーゴールド』だ。
漫画が原作の場合、結末が予想されやすく難しい面もある。ところがこの作品は、沙羅の死と、未来が見えてしまうという主人公の超能力が鍵を握る。つまり原作をより豊かにするドラマならではの創作が可能で、ストーリー展開と俳優たちの演技力がドラマの成功を左右させる点も要注意だ。

さらにドラマの演出で、大事な役割を担っているのが音楽だ。
兼松衆と櫻井美希のダブルタッグとなっている。最近のドラマで驚くのは、20代や30代の若手クリエイターが、ドラマ音楽で大いに活躍していることだ。劇伴の世界を一層盛り上げ、才能を開花させていくミュージシャンの偉業が、ドラマの演出に鮮やかな色を添えている。
特に兼松は、自らがジャズピアニストであることからも、ピュアなイメージのドラマに、アコースティックの音色を駆使する演出で力を発揮する。
初回でも、ストーリーの質感に寄り添うインストゥルメンタルな音楽は、視聴者の心にダイレクトに響き、涙を誘う音が響いている。

4人兄弟の兄弟愛、禁断の恋、そして生と死、という興味深いテーマが交錯する。
この難しい世界観を、説得力をもってどう描いていくのか、2話以降から目が離せそうもない。

福士蒼汰と菜々緒が手を合わせるシーンが意味深>>

コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所