高畑充希をどん底から再起させた言葉~『同期のサクラ』いよいよ終盤!~

2019/12/09 11:40

忖(そん)度できず、筋の通った生き方を貫く主人公のサクラ(高畑充希)。

ただし正しいがゆえに、ドラマの中ではどんどん不遇となっていく。そんなサクラを、第8話で再起させたのは、同期4人からの言葉だった。

かつて同期たちをどん底から立ち直らせたサクラの言葉が、巡り巡って今度はサクラを前向にさせたが......

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高畑充希主演『同期のサクラ』


高畑充希をどん底から立ち直らせた言葉>>>

■同期を立ち直らせた言葉

このドラマは、ずっと言葉の力が鍵を握ってきた。

そもそも初回ラストで、サクラの原点というべきスピーチが、同期4人の心をとらえた。
「私には夢があります。ふるさとの島に橋を架けることです」
「私には夢があります。一生信じ合える仲間をつくることです」
「私には夢があります。その仲間と、たくさんの人を幸せにする建物を造ることです」
「それだけは諦められないので、私は自分にしか出来ないことをやります」

そして2話以降、サクラの言葉が1話で同期1人ずつを再生させてきた。
まず上司にノーと言えない菊夫(竜星涼)に、新たな一歩を歩ませた言葉。
「自分の弱さを認めることが大人になること」
「会社のみんなを応援しようとする菊夫くんはすごい」
「でも今一番応援すべきはあなた自身」
サクラに触発され、「俺はもう部長の言う通りにはできません」「やらされるんじゃなく、自分がやるべき仕事をやる」と菊夫は宣言した。初めてノーと言えたのである。

次に退職しようとした百合(橋本愛)を翻意させた言葉。
「現実から逃げている」
「種をまかねば一生花は咲かない」
この後二人は、「ブス」「ブス」と激しい言い合いになった。そして本音のぶつけ合いを経て、二人は互いを呼び捨てにし合う友達になれた。

仕事を投げ出し、自室に閉じこもってしまった蓮太郎(岡山天音)もサクラの言葉に救われた。
彼のために上司に殴り込みをかけ、「いろいろなアイデアを引き出す力がある。粘り強さがある」と長所を訴えた。それを目の当たりにした蓮太郎は、周りのせいにしていたこと、一人よがりで閉じこもっていたことなどを反省し、再び立ち上がった。

葵(新田真剣佑)は、サクラにより初めて父親を乗り越えられた。
実は葵は高級官僚の父のコネ入社。実力を認められていないことが判明し、自暴自棄になってしまった。ところがじいちゃんの教えから、サクラは「勝ち負けにこだわらず、自分の価値を知ることが大切」「素晴らしい才能がある。たくさんの人を動かす力がある」と励ました。
この言葉に勇気を得た葵は、今までものが言えなかった父に、初めて自分の意見をぶつけられるようになった。

■サクラを立ち直らせた言葉

このように1年1話の展開で、同期を勇気づけ、「一生信じ合える仲間」をつくる夢を果たしてきたサクラだったが、「ふるさとの島に橋を架ける」夢は会社の設計の不十分さを目の当たりにして壊してしまった。

しかも大好きだったじいちゃんを亡くし、サクラは天涯孤独の身となってしまった。
そしてサクラは、会社に行けなくなり、会社をくびになってしまった。

今度は同期4人の番だ。
ところが一人一人がいろいろ手を尽くすが、サクラは前を向くことができない。1年以上閉じこもったままとなってしまった。

万策尽きた4人だったが、百合は「最後に試してみたい」と仲間に協力を仰いだ。
2019年3月31日、サクラの誕生日。非通知の電話が鳴り、出てみるとFAX音だけが鳴る。同時にドアの下からA4用紙がスルスル出て来た。

「俺たちはいつでも待ってる」
「おまえとまた一緒に働ける日を」
「だからどんなにつらくても諦めない」
「サクラのいない世界なんかに生きていたくないから」
そして最後の1枚は『じゃぁ、また明日』

7話でサクラの故郷の島を訪ねた同期4人は、死期が迫ったじいちゃんに頭を下げてお願いをされていた。
「サクラがひとりぼっちになったら、死んでも死にきれない」
「みなさんがいてくれれば、あの子は寂しくはない」
「どうかこれからもずっと、仲間でいてやってください」

そう、4人はじいちゃんとの約束を守り、じいちゃんの代わりを果たしたのである。
かくして長いトンネルを抜け、サクラはようやく閉じこもりの生活を脱して外出できるようになった。

ところが"ありえない性格の主人公"を描いて名作にする遊川和彦の筆は、さらなる"あり得ない"展開を用意した。
初回から各話ずっと、冒頭とラストに置かれたサクラのこん睡状態の原因が明らかになったのである。

ただし8話のラスト、そのこん睡状態も、4人一緒の訪問がきっかけでサクラは覚醒する。では、行きつくところまで不遇を極めたサクラの落としどころは何か。
最終回に向け、いよいよ目が離せないストーリー展開になってきた。少々"あり得ない"結末でも良い。ぜひ納得できる言葉で締めてもらいたいものである。

高畑充希をどん底から立ち直らせた言葉>>>

文・鈴木祐司 次世代メディア研究所