儲(もう)かる店にはワケがある~『がっちりマンデー』にみる飲食店の基本~

2019/12/12 16:56

「日曜日に勉強して月曜日から実践!」と謳(うた)う『がっちりマンデー』。

8日の放送は、恒例の「最新儲かり店」。飲食店には大小いろんな店があるが、坪月商で30万円を超えると"大繁盛店"だという。

儲かっている店には、独特の知恵と工夫がある。その勝利の方程式は、どんなビジネスにとっても大きなヒントがいっぱいだ。

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繁盛する餃子店(イメージ)


ビジネス成功の秘密はこれだ!>>

■"飲食店の儲け"方程式

総務省統計局によると、日本の飲食店数は約67万店、働く人は約437万人という。
実に多くの店でたくさんの人が働いている。

ではお店は、どうすれば儲かるのか。
利益の方程式は以下の通りだ。

客単価×座席数×回転数×(1- 原価率)×営業日数 -(人件費+家賃+経費)

お客一人当たりの支払い額が多いほど儲かる。
座席はなるべく埋まっていた方が良い。
そして客が次々に入れ替わるとありがたい。
さらに売上に対して、原価が安ければ安いほど利益が大きい。
これらの総収入から、人件費などのコストを差し引いたのが利益だ。

つまりこの方程式の中で工夫をし、多くの顧客に支持されることが儲けの秘訣(ひけつ)だ。

■レイアウトでも意外な利益

「月刊食堂」の通山茂之編集長が推す最初の飲食店は、"坪月商30万円超えの大繁盛店"。
一坪あたり月に幾ら売ったかという経営指標で、平均は15~18万円だという。この多寡で比較すると、商売の巧拙が比較しやすくなる。
そして坪月商が30万円を超えると、大繁盛店に認定できるという。

まずは客席のレイアウトを考え抜いて、経営効率を上げたお店。
西鉄福岡(天神)駅から徒歩10分の「餃子LAS VEGAS」。全50坪で月商1700万円なので、坪月商が34万円に達している。

店内は一見あまり変わってないが、細長い店の奥に別のワインビストロがある。
つまり一つの建物の中に、二つの店を同居させて運営。これで食材・人材・スペース・コスト部門などをシェアして効率を上げている。
例えば洗い物は、2店ぶんまとめて処理。税理士も2店で1店分の処理・ネット回線なども共有とコストをシェア。効率的な運営・経営を行っている。

さらに細部がすごい。
2店ともカウンターと円卓を組み合わせ、客席稼働率を上げている。普通の客席は偶数席だ。これだと奇数の客が来ると、空席ができてしまう。
ところがカウンターと円卓の組み合わせで、空き席を減らせる。

客にもメリットがある。
まっすぐ席が並ぶより、円卓なので話がしやすい。トークが盛り上がると、お酒も進み売上が増える。さらに居心地の良さから、リピーター率が高まるというのである。

さらに角を丸くすると、4人分の席が増える。
同じスペースでより多くの顧客を入れられ、増えた4人へは同じ動線でサーブできるので、従業員の効率もアップする。
あれやこれやで、坪単価34万円が達成されているのである。

■超ド級のモンスター店

近年のタピオカブームはすごい。
東京商工リサーチによると、「タピオカ」専業及び関連事業を営む企業は、今春からの半年で倍増した。
また貿易統計(財務省)によると、「タピオカ」と「タピオカ代用物」の輸入は、去年1年の3倍ほどに増える勢いだという。

ところが、そのタピオカを上回る大繁盛店が登場した。
しかも収益構造上、より儲かる店なのである。金沢で誕生し、創業から3年で全国30店に急増した「レモネード バイ レモニカ」だ。

金沢店は3.5坪で月商約500万円。坪月商が約143万円を誇る。坪月商30万円で大繁盛店なので、5倍も売れている"超ウルトラモンスター級"となる。

1日約500杯売れているが、インスタ映えする見た目、全22種という種類の多さが人気の秘密のようだ。
しかもタピオカよりしつこくなく、あっさりした飲み心地も受けている。

そして「月刊食堂」遠山編集長が「エグイ」と驚くのが原価率の低さだ。
まずタピオカより安いレモンが原料。さらに店舗での作業をギリギリまで自社工場でやっておくので、店頭の売り子は超簡単なオペレーションで済む。
例えばカウンター内では、売り子は一歩も動かず、全ての材料や道具に手が届く。つまり狭いので家賃は安く、スタッフの人件費も抑えられる。

またタピオカは茹(ゆ)でる必要があるが、レモネードは過熱調理も洗い物もない。
水道光熱費が安く済むのである。結果として、大手チェーン飲食店の営業利益が10%以下のところ、この店は34%に達している。
坪月商が多く、さらに利益率が高いので、とんでもない儲かりビジネスなのである。

いかがだろうか。
両店舗は全国67万店の中でもトップ級の坪月商あるいは儲けを誇る。商売の要素を明らかにし、どの部分でどう工夫するか次第で、ビジネスは成功する可能性が高まる。
「日曜日に勉強して月曜日から実践!」などと限定せず、ぜひ自分たちの仕事に日々活かしたいものである。

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文・鈴木祐司 次世代メディア研究所