波留と中川大志の年齢さは埋められる!?~ラストに注目!『G線上のあなたと私』~

2019/12/16 12:02

TBSの火曜ドラマ『G線上のあなたと私』が、ついに明日最終回を迎える。
今クールは既に放送を終了したドラマも出始め、今年も残すところ3週間をきった。名曲「G線上のアリア」がなければ、きっと出会うことがなかっただろう、年齢も世代も違った男女3人。それがバイオリンを介して友情関係を結んだ。さらに若き2人は恋人同士にもなった。

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『G線上のあなたと私』 出演の波瑠・中川大志・松下由樹


"しみじみ"は人生の句読点>>

■三者三様の状況

1年半前に、婚約者から突然振られたOLの也映子(波留)。
そして大学生の理人(中川大志)は、兄の元婚約者に恋をし、バイオリン教師のその人に会うため、音楽教室に通い始めた。ところが鮮やかに振られ、そして傷ついた2人は、やがて恋人同士になった。
ところが2人の年の差は8歳。20代で学生と社会人という2人には、その年齢差はとてつもなく大きな壁となって立ちはだかる。

2人のバイオリン仲間で、恋の展開を側で見守ってきたのが幸恵(松下由樹)。自分を大切にしない夫や嫌みな姑(しゅうとめ)と暮らし、そして子育てに疲れ果ててついに家出をする。

どの年齢でも、どの世代でも、生きていると悩むこともある。また各人が置かれた状況の中でプレッシャーもある。
就活の不安や苦労。
アラサー女子の結婚への焦り。
まるで家政婦のように扱われ、お肌も心も枯れ果てるアラフォーやアラフィフの主婦。

他人が欲しいものを手に入れたからといって、幸せの計り方は人それぞれだ。
自分の居場所を求め、理解してくれる友達を探し、心のよりどころとなるパートナーがいたら......と願うものだ。

■3人のバランスが絶妙

このドラマは、ものすごく衝撃的な事件が起こるわけではない。またあり得ないキャラクターの主人公が、めったにない状況でどう成長するかなどの尖(と)がったドラマでもない。
劇的な展開もなく、強烈なインパクトを持つわけでもないが、登場人物一人一人に各々の人生とストーリーがあり、他人にとって小さなことだが、自分にとってはスルーできない大問題となっている。
こうした状況を見ていると、悩みには大きいも小さいもないということを思い知らされる。しかも淡々と人間模様を描く展開は、どこかフランス映画を見ているようでもある。

実はこのタイプの物語は、登場人物の演技力がドラマの成否のカギを握る。
主演のトリオは、波瑠・松下由樹・中川大志の3人。どんな役でもこなすベテランの松下由樹の安定感。波瑠の自然な演技。女心を全く理解しない茫洋(ぼうよう)とした理系男子をさらりとこなす中川大志。
3人の絶妙な三角関係が、歪(ゆが)んだり整ったりしながら、心地よいバランスを保っていた。

■人生で大切なこと

最終回目前の第9話では、ようやく也映子(波瑠)と理人(中川大志)の関係に急展開が起こった。
そして二人の幸せを願いながらも今か今かと待ちわびていた幸恵(松下由樹)の心にも、変化が現れる。

自分の気持ちに重いふたをしてしまい、家族に尽くす妻や母親は、日本中にたくさんいるのだろう。同じように「疲れた」と言えずに、仕事と家のローンを背負って走り続ける夫や父親も、少なくないだろう。

でも、元気な心をいつでもどこでも維持し続けるのは難しい。
一度どこかで立ち止まって、思いっきり涙を流すこともとても大事なのだ。心が疲れすぎてしまい、その涙さえ流す力をなくしてしまう前に......。

幸恵の突然の家出は周囲を驚かせる。
それでも自分の心に正直でいようとする決意と、でも家族にはきちんと連絡する誠実さが、今まで人を大切に生きてきた幸恵らしい行動で、心を打たれる。

身近な人ほど、空気のような存在として当然視してはいけない。一番大切にしなければいけない存在であることを教えてくれている。

また"年の差カップル"という大きな壁にぶち当たる若き二人の行方は、最終回でハッピーエンドとなるのだろうか。
次回の最終話で、それぞれの決着がどうつくのか。皆、幸せになってくれることを願う。

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コラムニスト:はたじゅんこ
監修:次世代メディア研究所