SKE48・高柳明音「グループの新陳代謝のため卒業を決めた」――全力疾走のアイドル人生を振り返る

2020/1/15 12:00

高柳明音は、2009年に加入したSKE48を2020年春をめどに卒業することを表明した。チームKIIのリーダーを約5年間務め、グループの黎(れい)明期を支えたからこそ完成した、確固たる"リーダー論"。その根底には、高柳の驚くほどの真面目さと厳しさがあった。誰よりもSKE48とチームKIIを愛する彼女に、グループやアイドルへの率直な思いを語ってもらった。


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SKE48を2020年春に卒業予定の高柳明音


■寿命が延びて延びて......のアイドル人生

――今年10月にSKE48卒業を表明しました。高柳さんの中で、アイドルは何歳で卒業するものというイメージはあったのでしょうか?

アイドルそのものに期限はないと思っているので、年齢がどうというのはありませんでした。ただ、私が所属しているグループは常にメンバーが入れ代わっいるので、自分が出て行かないと新陳代謝は生まれないと感じました。続けようと思えばいつまでも続けられるけど、このグループはそれだとうまくいかないというか。

一緒にSKE48の歴史を歩んできたメンバーも卒業していったので、グループ全体のことを考えたら、私もアイドルを辞める決心をして次に行かなきゃいけないと感じました。逆に、メンバーの顔ぶれや人数が固定されているグループだったら、私はずっとアイドルを続けていたと思います。自分の担当カラーがあるグループとか、すごくうらやましいです。そういうグループには、いつまでもアイドルを続けてほしいですね。

――卒業生の方に卒業について相談したりしましたか?

いえ、全く。松井玲奈さんにだけ事前に「今日発表するね」と伝えたくらいです。最初に卒業を意識し始めたのが4~5年前くらいで、そのときからずっと玲奈さんには卒業に対する考えを話してはいました。なので、玲奈さんからしたら、「だいぶ長かったね」って感じだと思います(笑)。


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「卒業を受け止めてもらえるような雰囲気は作っていたつもりです。」


――ファンのみなさんは、卒業発表に対してどんな反応でしたか?

ファンのみなさんにも卒業が近いことは全然隠していなかったんです。「卒業考えてる?」って聞かれたら「考えてるよ」と答えていましたし、同い年の須田亜香里ちゃんが「30歳までアイドルやる!」と宣言したとき、私も「高柳さんもどうですか?」と質問されたんですが、「無理です」と返しました(笑)。なので、ファンの方にとっても「まぁそうだよね」と受け止めてもらえるような雰囲気は作っていたつもりです。

――それでもグループに11年間在籍したのは、卒業のタイミングが合わなかったということでしょうか?

最初に卒業を踏みとどまったのは、2014年にNMB48を兼任することになったときです。ちょうど「SKE48のメンバーとして、自分はこれ以上期待されてないのかな」と悩んでいたタイミングだったので、兼任を任されたことで、「まだ48グループに居ていいんだ」と安心したのと、新しいことに挑戦させてもらえる喜びもあって、アイドルを続けようと思えました。いろんなきっかけがあって、寿命が延びて延びて......って感じですね。

■秋元康プロデューサーから贈られた「宝石」

――2020年1月15日に発売される最新シングル『ソーユートコあるよね?』に収録される卒業ソロ曲『青春の宝石』についてお聞かせください。ソロ曲のレコーディングは、どんな気持ちで挑まれたのでしょうか。

自分に当てはまる歌詞がたくさんあったし、自分が卒業する最後の1秒にそう思えたらいいなと感じる歌詞もありました。「楽屋」とか「後輩」というフレーズが出てくると、みんなの顔とかSKE48の劇場の楽屋が思い浮かびます。そういうのをイメージしながら歌いました。


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「ダイヤの原石って言葉に惹(ひ)かれました」


――『青春の宝石』とは、すごくすてきなタイトルですね。

SKE48のオーディションを受けようと思ったとき、秋元先生が1期生の方に「僕はダイヤの原石を見つけたんだ」と話したのを知って、「ダイヤの原石」という言葉にとても胸打たれたんです。それから11年たって、最後にもらうソロ曲のタイトルに「宝石」という単語が入っていたので、自分の中のストーリーがひとつ完結するような気持ちになりました。秋元先生に「ダイヤの原石って言葉に惹(ひ)かれました」と伝えたことはないのに、こうやって汲(く)み取ってくださって、すごくうれしかったです。

――約11年間の思い出が詰まった曲ですね。

そうですね。今回レコーディングをしてくださったのは、私がSKE48に入ってすぐの頃からずっとレコーディングを担当してくださっている方だったんです。その方との思い出も11年ぶんあるので、まさに思い出の集大成だなと感じました。「アイドルとしてのレコーディングはこれが最後なんだな」と思うと、すごく感慨深かったです。

■1人でも多くのメンバーに、幸せな活動をしてほしい

――メンバーの意見を代弁し、グループを引っ張っていく姿勢を「AKB48時代の高橋みなみに近い」と評するファンもいました。リーダーとして、高橋みなみさんに影響を受けた部分はありましたか?

もともと私はリーダーとして、みんなを引っ張るようなタイプではないんです。学生時代も「学級委員とか無理!」って感じでしたし......。でも、SKE48に入って最初に担当してくれたマネジャーさんに「明音にはいつかみんなを引っ張っていくリーダーのような存在になってほしい」って言われて、そのときから"かっこいいリーダー"としての高橋みなみさんに憧れるようになりました。高橋さんにも「たかみなさんのこと大好きです」と伝えていました。


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"みんなのお手本にならないことはしない"というのはずっと決めていました。


――チームリーダーを担当して、一番学んだことや「これだけは守ろう」とご自身で決めていたことなどはありましたか?

"みんなのお手本にならないことはしない"というのはずっと決めていました。「コンサートの振り付けを忠実に覚えて、ちゃんと踊る」とか、当たり前のことなんですけど、長い間活動しているとその当たり前ができなくなるんです。みんなから「あの先輩は長くやっていてもちゃんとしてるよね」と思ってもらえるような先輩でいたいなと。

あまり言葉で伝えるのは得意ではないので、後輩たちには私を見てSKE48としての在り方を覚えてもらえたらいいなと思っていました。「1人でも多くのメンバーが幸せな活動をできるように」と思いながら活動していましたね。

■チームリーダーを任され、初めて過呼吸に

――チームリーダーになった瞬間は、どのように感じましたか?

リーダーになることを知らされたのが、2度目に参加した総選挙の当日だったんです。チームKIIから誰か1人でも選抜入りできるように、チームのファンのみなさんが私に託して投票してくれていたことも知っていましたし、自分としても「今回は選抜に入りたい」という気持ちがすごくあった。そのプレッシャーの中、さらに本番直前に「今後はチームリーダーになる」と伝えられたんです。いろんな感情が爆発しちゃって、1人で階段で号泣しました。

――それはキツいですね......。

人生で初めて過呼吸になって、自分でもびっくりしました。本当に過呼吸ってなるんだなって。そのときSKE48の1期生の平田璃香子さんが来てくれて、「自分のリーダー像を作っていけばいいんだよ」と励ましてくれたのが、すごくうれしかったです。総選挙の発表で名前を呼んでもらえてステージに上がったときに「リーダーとしてこのチームを引っ張っていこう」と改めて覚悟できました。

■メンバーみんなで卒業公演のステージに立ちたい

――元チームリーダーとして、先輩として、後輩メンバーに何かアドバイスはありますか?

私はSKE48のメンバーひとりひとりに「自分はSKE48だ」という自覚を持って頑張ってほしいです。たとえばSNSで危ない写真をアップしたり、動画の生配信でいろいろ言っちゃったりしても、それは自分のストレス発散にしかならないし、正直ファンの方にとっては気持ちいいものではないと私は思います。「だから、ちゃんと考えて行動してね」という気持ちはありますね。


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「みんなでステージに立てることを今から楽しみにしています!」


――ファンを思う高柳さんの姿勢は、後輩メンバーにも伝わっていると思います。

私はSKE48に入るまで自分に自信がなくて、自分をさらけ出せる相手もいませんでした。でも、SKE48に入って、メンバーとの絆がどんどん大きくなって、「卒業した後も関係が続いていくんだろうな」と思える仲間ができました。自分の生涯でかけがえのない存在になってくれたことに、本当に感謝しています。

あとは、卒業公演のステージにメンバー全員で立ちたいので、とにかく体調には気を付けてもらって(笑)。卒業発表したあと、松井珠理奈ちゃんに「卒業公演に出てほしい」と伝えたら、「もちろん出るよ!」と言ってくれました。みんなでステージに立てることを今から楽しみにしています!


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SKE48 高柳明音


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■高柳明音
1991年11月29日生まれ、愛知県出身。2009年に行われたSKE48の第2期オーディションに合格し、翌2010年6月にチームKIIのリーダーに就任。SKE48の中心メンバーであり、AKB48のシングルにも多数参加している。近年は女優業にも本格的の挑戦しており、テレビドラマ、映画、舞台などマルチな活躍を見せている。
2020年1月15日にリリースされるSKE48の最新シングル『ソーユートコあるよね?』のType-Dに卒業ソロ曲『青春の宝石』が収録。

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(取材・文/本田恵理@HEW(外部サイト))
(撮影/ナカムラヨシノーブ)