【インタビュー】女優・臼田あさ美、子育ても仕事も「まずはいっぱい食べること!」

2020/2/28 10:00

お笑い芸人のバカリズムが原作・脚本・主演を務めた連続ドラマ『架空OL日記』が、2017年の放送から3年の時を経て映画化される(2月28日より全国公開)。"架空の銀行員OL"の日常を描いた同作品で、日本テレビ系列で放送された連続ドラマ時代から姉御肌の「小峰さま」役を演じてきたのが女優の臼田あさ美だ。


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女優・モデルとして活躍中の臼田あさ美


2017年にロックバンドOKAMOTO'Sのドラマーのオカモトレイジと結婚し、翌2018年に第1子を出産した臼田は、女優として第一線を走り続けている。育児と仕事を両立させる秘訣(ひけつ)とは? 『架空OL日記』の裏話を交えつつ、一児の母であり女優としても活躍する彼女のバイタリティの源泉に迫った。

■子育てと仕事の両立は「まだまだ手探りの状態」

――臼田さんは2017年にご結婚されました。結婚生活が始まってから変化したことはありますか?

臼田:それがあんまり変わらなかったんです。お互いに自分の時間を尊重し合えるような相手と結婚したというか。ただ、やっぱり子供が生まれてからは生活がだいぶ変わりました。

――2018年6月に第1子をご出産されたんですよね。

臼田:はい。子供が生まれたら否が応でも朝早く起きなければいけないし、自分のペースで日常生活を送れないですからね。自分の時間よりも母親としての時間がメインになるので、そこが全然違います。

――臼田さんは音楽好きとしても有名ですが、子育てしながらもライブに行くことはあるのでしょうか?

臼田:昔ほどではないですけど、もちろん今でも普通に見に行くことはありますよ。ただ、やっぱり子供を連れて行きやすいライブじゃないと難しいです。たとえば夫のバンドだったり、夫と一緒にライブを見に行ったり。

――たしかにそうですね。一方で、臼田さんはご出産されてからも映画やドラマなどで精力的にご活躍されています。子育てと仕事を両立させる秘訣(ひけつ)を教えてください。

臼田:いや、私も子育てが始まってからびっくりしたというか、「みんなどうやってセリフを覚えて、いつ練習しているんだろう!?」っていまだに思ってるんですよ(笑)。お子さんがいる女優さんとご一緒する機会があったらいまだに相談していますし。知り合いに会うたびに「どうやってるの!?」って聞いています。まだまだ手探りの状態なんです。


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「家族が元気なのが一番!」


――子育てについて、知り合いの方とはどんなお話をされるんでしょうか?

臼田:みんな決まって「もう必死だよね!」って言ってます。子供のリズムも家庭のリズムもそれぞれ違いますし、「うちはこういうふうにやってるよ」っていうのを聞かせていただいて、私も私なりに必死にやっていこうって自分を奮い立たせています。うちは夫もけっこう忙しいですし、「家族が元気なのが一番!」というスタイルでやっています。

■アドリブに見えて実は隅々まで計算された『架空OL日記』の脚本

――公開される映画『架空OL日記』の出演者の方々と子育てのお話をされることもありますか?

臼田:坂井真紀さんとは少しだけ話しました。とはいえ、特別その話題がメインで会話したわけではなくて、あいさつ程度に「大変ですよね」と話したくらいです。

――『架空OL日記』はOLの日常を描いた作品です。脚本はバカリズムこと升野英知さんですが、演じていて「これは男性の脚本だな」と思ったことはありましたか?

臼田:それが男性が脚本を書いているっていうふうには全然感じないんですよ。映画の中ではカットされていたり、台本の時点で分量が多くて撮影しなかったシーンがいろいろとあるんですけど、どれも細かいところまで本当によくできているんです。


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「升野さん(バカリズム)のすごいところだなと思いました。」


――では「芸人の方ならではだな」と思ったことはありましたか?

臼田:『架空OL日記』ってけっこうフランクな日常会話をするシーンが多いので、アドリブでやっていると思われがちなんですけど、実はすべてしっかりと脚本に書かれているんですよね。そこが芸人の方というか、升野さんのすごいところだなと思いました。

――ほかの脚本家とは違う面白さを感じたのでしょうか?

臼田:ほかの現場だと、脚本通りに演じていても、ちょっとした間ができてしまったりすることがあるんです。特に二人で会話しているときは、どうしてもアドリブで相づちを足したり、微妙な間を埋めるために二人の空気感を出したりすることがあるんですよね。けれども升野さんの脚本は、誰かがしゃべったあとに「うん、そうだよね」って軽い相づちを打ったり、「いや、それは違くてさ」って切り込んだりするセリフがちゃんと書いてあるんです。しかも一見すると誰が言ってもよさそうなセリフも、「このタイミングでこれを言うのはこの人だよね」っていうふうに的確に割り当てられています。だからセリフを覚えるのが難しくなかったんです。

――それはすごいですね。

臼田:もちろん連続ドラマ時代からずっと同じチームでやってきたからできることなのかもしれないですけど、そういう会話劇の無駄のなさは升野さんならではだと思います。アドリブみたいに見えるけど、脚本で隅々まで計算されている。そもそも升野さん自身が芸人として、ステージの上で脚本にもとづいてアドリブみたいにしゃべるっていうことをされている方だから、そういったやり方を熟知しているんだと思います。


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「この面白さを自分が演じられるかなっていう不安のほうが大きかったです。」


――脚本について臼田さんから何か提案することはなかったんでしょうか?

臼田:全然ありませんでした。それよりも台本を読むだけで面白いのに、この面白さを自分が演じられるかなっていう不安のほうが大きかったです。でも現場に入ると和気あいあいとした雰囲気があって、全然大丈夫でしたけどね。ともかく、脚本通りに演じるだけで面白くなるんです。

■バイタリティの源泉は「いっぱい食べていっぱい寝ること」

――『架空OL日記』にはさまざまな「OLあるある」が出てきます。その中で共感したネタはありましたか?

臼田:「あるある!」って思っていただけるのはうれしいんですが、私は実際にはOLの仕事をしたことがないので、「あるある」のリアルはわからないんです。ですが、「女の人たちが集まったらこういう空気になるよね」という部分は共感するところがありました。たとえば酒木さん(山田真歩)と小峰さま(臼田あさ美)は先輩社員で、ほかの人よりも少しだけ早く出社するから、更衣室の実権を握っているみたいなところがある。けれども世代交代の波が押し寄せるみたいに、主人公の"私"(バカリズム)とマキちゃん(夏帆)がいいように使い始めて、後輩のサエちゃん(佐藤玲)もそこに交じっている......、とはいえ結局はみんな仲がいい。その関係性が「あるある」だと思ったんです。だからこそ、登場人物と同じ銀行員のOLさんたちだけじゃなくて、ほかの方にも共感してもらえるんじゃないかなと思います。


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「少しでもおいしいものを食べたいじゃないですか(笑)。」


――なるほど。では印象に残っているシーンはありますか?

臼田:「少しでもおいしいものが食べたい!」みたいな気持ちはすごくよくわかりますね。『架空OL日記』でも、仕事帰りに新しいカフェやレストランを見つけたら、まずはおいしいかどうか調査しに行く、みたいなシーンがあります。私も新しいお店を見つけたら行きたいなって思っちゃうんです。行き慣れているところにばかり行ってしまいがちですけど、少しでもおいしいものを食べたいじゃないですか(笑)。

――臼田さんが演じている「小峰さま」は、姉御肌で頼りがいのあるキャラクターですよね。臼田さん自身も姉御肌と言われることはありますか?

臼田:あんまり言われたことはないかな......。ただ、小峰さまって5人の登場人物の中で一番マトモに見えるじゃないですか。学級委員みたいになれる人って言えばいいかな、そこは私と近いのかもしれないです。登場人物の中で誰が一番自分に近いキャラクターかと言ったら、やっぱり小峰さまなんですよね。自分が歩み寄ってるのか、役柄が近づいているのかはわからないですけど、演じていてとても心地よく感じるので、自分の中にも小峰さまと通じるところがあるんだろうなって思いました。

――姉御肌とは少し違うかもしれませんが、たとえば臼田さんのSNSの投稿を見て元気づけられるファンの方はたくさんいるのではないかと思います。

臼田:SNSは今、ほとんど使えていなくて。日常生活が大変だからそれどころじゃないんです。とはいえ、子供も1歳半を過ぎて、徐々に今の生活のペースを自分なりにつかめてきたところもあります。なので、もう少し外とのコミュニケーションを増やしたいなとは思っています。SNSをやっていると、長く応援してくださってる方がいるのがわかるんですよね。そういう方々から、たとえば「私も出産しました」ってコメントに書いていただけたりすると、「もう長い付き合いだよね」って感じてしまうこともあって(笑)。もちろん直接の知り合いではないんですけど、お互いに励まし合っている感覚があるというか。同じ時を過ごして同じく成長してるのがわかるから、「お互いに頑張ろう」って感じることがあるんです。


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「やりたいことが思い浮かんだら応援したいなと思っています。」


――ファンの方も臼田さんの投稿を待ち望んでいるはずです。ところで、一歳半を過ぎたとのことですが、お子さんにはこれからどのように育ってほしいですか?

臼田:健康で元気いっぱいに育ってくれればうれしいです。それが一番に思うことですね。成長していくにつれて、いずれは絶対に何か欲が出てくるとは思います。やりたいことがないよりはあったほうがいいので、やりたいことが思い浮かんだら応援したいなと思っています。だけど今はとにかく元気でいてくれることに感謝して、それ以上は望んでいません。

――先ほども「家族が元気なのが一番!」と仰っていましたね。

臼田:やっぱり元気が大事だと思います。もちろんみなさん、それぞれやらなきゃいけないことがいっぱいあると思いますけど、心身ともに元気なことが大事だと私はいつも思っています。体と心のバランスを保ちましょう、と。私は三食ちゃんと食べますし、今は早寝早起きで、6時半ぐらいには朝ごはんを食べています。まずはいっぱい食べていっぱい寝ること。ときには自分にとってご褒美になるようなものを食べて頑張りましょう。でもきっと、今これを読んでいる方はもうすでに頑張っていると思うんですよね。だからお互いに、今日を何とか乗り切っていきましょう!


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臼田あさ美


【GYAO!動画】臼田あさ美さん出演の『架空OL日記』プロモーション映像>>

映画『架空OL日記』 公式サイト(外部サイト)>>

映画『架空OL日記』 公式Twitter(外部サイト)>>

■臼田あさ美
1984年10月17日生まれ、女優。映画では『色即ぜねれいしょん』『南瓜とマヨネーズ』『蜜蜂と遠雷』などの話題作に出演。『愚行録』では、第39回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。ドラマでは、大河ドラマ『龍馬伝』『問題のあるレストラン』『家売るオンナ』『ママゴト』『銀と金』などに出演。2月28日公開の映画『架空OL日記』に「小峰さま」役で出演。

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(取材・文/細田成嗣@HEW
(撮影/ナカムラヨシノーブ)