『わたナギ』『ミタゾノ』『猫村さん』"家政夫(婦)"ドラマが同時に3本放送 人気の要素となった理由とは?

2020/7/30 17:40

TBS系『私の家政夫ナギサさん』、テレビ朝日系『家政夫のミタゾノ』、テレビ東京系『きょうの猫村さん』と、"家政夫(婦)"をテーマにした作品が同時期に3本も放送されていた。一体なぜ家政夫(婦)が人気を集めているのか? まずは、それぞれのドラマを比較してみよう。

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『私の家政夫ナギサさん』第4話


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■TBS系『私の家政夫ナギサさん』

働き盛りのキャリアウーマンだが、家事と恋は不器用な相原メイ(多部未華子)のもとに、おじさん家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)が現れるハートフルラブコメディ。原作は、国内最大級の電子書籍サイト「コミックシーモア」(運営:エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社)発のオリジナルコミック。

もはや母性すら感じさせるナギサの優しさに"おじキュン(おじさんに胸キュンすること)"との呼び声も高い本作。しかし、ただ心温まるだけでは終わらず、"毒親(子どもにとって毒になる親のこと)"などの要素も盛り込んでいるところがポイントだ。

仕事でも私生活でも大変なことだらけのメイは、現代女性にとって共感できる存在だろう。だからこそ、そんなメイをいやしてくれるナギサの姿に視聴者もキュンとするのだ。次回第5話は8月4日放送予定。

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『家政夫のミタゾノ』最終話


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■テレビ朝日系『家政夫のミタゾノ』

家政夫の"ミタゾノさん"こと三田園薫が、派遣された家庭の内情をのぞき見て、そこに巣くう"根深い汚れ"をすっきり落とすヒューマンドラマ。新型コロナウイルス感染拡大による放送休止を挟みながら、4月24日~7月24日に第4シーズン全8話が放送された。

ミタゾノ役を演じる松岡昌宏の女装姿が目を引くのに加え、ふんだんに盛り込まれた時事ネタやパロディネタでも人気を集める『家政夫のミタゾノ』。「しょうゆのシミは大根でたたくと落ちる」など毎回紹介される家事テクニックでも視聴者を楽しませた。

家政婦紹介所から派遣される家政夫という設定を生かし、本作は、毎話異なる派遣先を訪れるオムニバス形式をとっている。家政夫というポジションを武器にして、家庭の事情をどんどん暴いていくミタゾノの姿が痛快だ。最終話のラストではメインキャラクターたちが「また会う日まで」とあいさつしており、第5シーズンの制作も期待できるかも?

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『きょうの猫村さん』第17話


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■テレビ東京系『きょうの猫村さん』

自分を拾ってくれた飼い主・ ぼっちゃん(濱田岳)との再会を果たすため、家政婦として働いてお金をためようとする猫村ねこ役を松重豊が被り物姿で演じている。原作は、ほしよりこの大人気漫画。

コワモテ俳優として活躍してきた松重豊が、白い猫耳の被り物としっぽを着けて、爪をといだり、丸くなって眠ったりする姿が不思議とかわいい。特製料理"ネコムライス"を作るシーンなど、家事をこなす慣れた手つきも見どころだ。

トボけた雰囲気が魅力の『きょうの猫村さん』だが、どうやら猫村さんの奉公先である犬神家は何か複雑な事情を抱えた様子......。犬神家の家庭の事情が今後どのように明かされるのか? また、スケバンの長女・尾仁子(池田エライザ)が猫村さんに心を開く展開にも期待したい。

■作劇上のメリットも多い"家政夫(婦)"

テレビ朝日系『家政婦は見た!』を例に挙げるまでもなく、家政婦というのは昔から物語でおなじみのテーマだ。2011年10月期に放送された日本テレビ系『家政婦のミタ』、そして2016年10月期に放送された『家政夫のミタゾノ』第1シーズンのヒットが、ドラマ業界でさらに"家政夫(婦)"が注目されるきっかけとなったのだろう。

また、家政夫(婦)というのは物語を動かしやすいポジションでもある。派遣先の家庭が変わることで新たなエピソードを生み出すこともできる上に、家庭の裏側や、登場人物の素の姿を知りやすい立場というのも面白い。『私の家政夫ナギサさん』から見るに、女性の生き方や親との関係といったプライベートな問題に、当事者ではなく第三者的な立場から踏み込めるのも家政夫(婦)という立ち位置ならではのことだ。

それ自体がキャッチーな要素であり、なおかつ作劇上のメリットも多い"家政夫(婦)"ドラマ。医療ドラマのように、今後さらに定番ジャンル化していくのかもしれない。

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(文/原田美紗@HEW