【インタビュー】「アップデートされた音楽的なオンラインライブを」Official髭男dismが語る前向きな野心

2020/9/24 12:25

Official髭男dism初の配信ライブ「ONLINE LIVE 2020 -Arena Travelers-」が9月26日に迫ってきた。多くのアーティストが配信ライブを開催する中、比較的じっくり時間をかけて開催を発表した印象もある。そこで開催の経緯を発端に、リアルライブにはない楽しみ方や、今回のオンラインライブに向けた思いをメンバーにインタビュー。そこから窺(うかが)えるスタンスは常に自身の音楽を前進させ、幅広いリスナーに届けるようとするいつものヒゲダンの意思の延長線にあるものだった。

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Official髭男dism ボーカル・藤原聡


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■「アリーナライブは上京した時の夢だったので、延期で悔しい思いはしました」(藤原)

――この春、多くのバンドが新型コロナウイルスの拡散防止のためにライブの延期や中止を余儀なくされたが、Official髭男dismはバンド、ファン双方待望のアリーナツアー(「Official髭男dism Tour 2020 -Arena Travelers-」)を延期せざるを得なくなった。

藤原:アリーナでやりたいという夢がこのバンドで上京した時にあり、それがいよいよ実現するタイミングだったので、結構悔しい思いはしましたね。

小笹:やるせないっていう感じが一番近かったという気がしますね。でも、そんな悲観的な感じではなかったと思います。「タダで起き上がると思うなよ」みたいな感じはあったかな(笑)。

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Official髭男dism ギター・小笹大輔


――悔しさとともに、次に会うときはもっと強くなって帰ってくる――そんな思いがメンバーの発言から窺(うかが)える。加えて、自粛要請期間には藤原聡が自宅からインスタライブを行い、ミュージシャンとしての情熱と音楽愛をリアルに伝える機会もあった。

藤原:画的な悔しさはありますよ、自粛太りしてたんで(笑)。でもやったことに関してはすごい良かった。表に出てないと応援してくださってる方や聴いてくださってる方との繋(つな)がりが全然見いだせなくて。そういう意味ではインスタライブができたことで自分の心のバランスがとれたところもありました。

■「オンラインでも僕ら「らしさ」を出せたらいいですね」(松浦)

――その後、新曲のリリースや、それに伴うテレビの音楽番組への出演などもあり、バンドの元気な姿を目にするように。が、多くのバンド/アーティストが配信ライブを行う中、彼らからのアナウンスはかなり満を持して行われた印象が強い。実際に配信ライブの実施に向けた話がチーム内で出たのは6月ごろだったという。

藤原:周りからサザンオールスターズとかが配信ライブをやってる話は聞いてて、それで自分たちもやってみるかみたいな話は結構......いやほんとサザンが先駆けっぽい感じだったから、その辺りだった気がします。開催するはずだったアリーナでのライブをただ配信するだけだったら、いつでも良かったと思うんですけど、これはこれで新しい楽しみ方をしてもらえるようにというのが浮かんでからは結構、十分な時間が用意されて良かったなと思いますけどね。

小笹:ナマで対面して会場でやるのは、その会場を目掛けていろいろ作ってはいるので、そのまんまをやるっていうふうにはあんまり考えてなくて。ちゃんとオンラインならではというところは今、絶賛考えてます。それこそ映像収録チームの人とあんなに密に打ち合わせをしてるのは初めてかなっていう感じで準備しています。

松浦:オンラインライブをどう配信するか、どういう映像にするかにはバンドの特性、個性がすごい出てくるなと思って。サカナクションはちょっとミュージックビデオっぽくしたりとか、米津玄師さんも「らしい」内容だったじゃないですか。そういう「らしさ」みたいなものを僕らも出せたらいいですよね。

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Official髭男dism ドラム・松浦匡希


――ミュージシャンとして、また1リスナーとして、他アーティストの配信ライブを観賞し、楽しむスタンスは彼ららしい。その上でヒゲダンにとっての「らしさ」を追求している模様だ。

――8月には「HELLO EP」もリリースされ、ファンとしては新曲も交えたセットリストを期待してしまう。

藤原:でも根幹の部分はやっぱ『Traveler』ってアルバムを出して、そのアルバムの中の楽曲が結構中心になってるって意味ではそれはそうなんだと思うんですけど、毎公演、2曲ずつぐらいすごく大きなリアレンジを施してて、そういう楽曲もちょっとご用意させていただいてたりします。アリーナツアーは本来ならばもうちょっと前に演奏されていたセットリストだし、今は新曲も増えてきたので、「HELLO EP」の中の楽曲を入れてまたバランスを整えて。配信で聴いた時にこっちの曲の方が楽しんでもらえるんじゃないかとか、魅力を共有しやすいんじゃないかという理由で、2~3曲ぐらいはセットリストの入れ替えを行ったりして調節をしています。

■「いいスピーカーやヘッドホンで楽しんでほしい。それぐらい音楽的なライブに」(小笹)

――アップデートしたセットリストを楽しみにしつつ、今回は初の配信ライブ。リアルライブとは違う見どころも気になる。

藤原:ミュージックビデオのチームと連携しながらやっているところを楽しんでもらえたらいいなと思ってます。カメラワークやフォーメーション、セットだったりも魅力として伝えていけるように作っているので、そこかなって思ってます。全部の曲でエフェクティブなことをやってるかというとそういう話でもないんですけど、工夫がいくつもあるので楽しみにしておいてもらえると嬉しいなと思います。

楢崎:カメラワークもですが、カメラの質感――楽曲によってカメラの種類を変えてみたりしてるんですよ。あとはワイドな画とミニマムな画を行き来するようなライブ感が出せたらいいなっていうふうに思ってます。普通のライブだと大きい画ばっかり見えるけど、すごくミニマムな方向に行ったりだとか、ミニマムからワイドとかそういった工夫がたくさんされてると思うし、そういうことをチームのみんながすごく考えてくれているので、それが実現したものをご覧になって、「ああ、いいな」と思っていただけたら嬉しいです。

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Official髭男dism ベース・楢崎誠


――また、音像や音質にこだわる彼ららしい「聴きどころ」も。

松浦:サポートメンバーが前回のツアーより増えまして(笑)。一個ミックスをかますことによってそれぞれの音が整頓されてすごく聴きやすいと思うので、僕らの音はもちろん、アレンジによって入ってるそれぞれのサポメンの音もぜひ楽しんでいただきたいと思います。

小笹:みんなが最前列じゃないですけど、席がどこだったとかいうことに一喜一憂することなくみんながすごいいい環境といい音で楽しめるようには考えているので。音を一番聴いてほしいなって思いはありますね。なので良かったらいいスピーカーとかいいヘッドフォンとか、この機に思い切って新調していただいて、お気に入りのものがあればお気に入りのものを使っていただいたらいいですし。それぐらい音楽的なライブになると思います。

――配信ライブの表現にもOfficial髭男dismというバンドの新しさが窺(うかが)えそうな今回。最後に藤原聡のこのライブに託す思いを伝えよう。

藤原:ライブに足を運んでくださることが難しくなってる中で、配信ライブというある種お祭りが一つあることによって、僕たちもまた前に進んでアップデートしたライブをその時に届けられると思うし、それがファンの方の日々の活力にちょっとでもなれれば嬉しいなと思います。一人でもこのライブを見て前向きになれたとか、音楽の魅力がより知れたとか、そういう風に思ってくれたんだったらこのライブは大成功なんです。そういう風に思ってもらえるように今、一生懸命にやれることをパッキングして、みんなに届けたいと思っています。

※文中の「楢崎」の「崎」は「たつさき」が正式表記

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Official髭男dism


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■Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)
2012年結成。メンバーは藤原聡(Vo/Pf)、小笹大輔(Gt)、楢崎誠(Ba/Sax)、松浦匡希(Dr)。2015年4月に1stミニアルバム「ラブとピースは君の中」をリリースし、デビュー。2018年4月、メジャー1stシングル「ノーダウト」でメジャーデビュー。2019年5月にリリースした2ndシングル「Pretender」が超ロングヒットを記録。同年7月には単独での日本武道館公演を実現。10月にはメジャー1stアルバム『Traveler』をリリース。2020年8月には4曲入りの「HELLO EP」を発表した。

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(取材・文/石角友香)