『PRODUCE 101 JAPAN』シーズン2プロデューサー・張赫珍、世界を目指す11人の"息子たち"への想いとは?

2021/6/13 10:00

"日本版プデュ"ことサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』のシーズン2最終決戦が、6月13日(日)14時よりTBS系で生放送される。はたしてデビューをつかむ11人は誰になるのか? 2019年放送のシーズン1を経て、コロナ禍で再始動した同プロジェクト。シーズン2のプロデューサーを務める張赫珍(ジャン・ヒョクジン)さんに、パワーアップした『PRODUCE 101 JAPAN』の舞台裏や、練習生たちへの想いを語ってもらった。

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『PRODUCE 101 JAPAN』シーズン2・プロデューサーの張赫珍氏


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■シーズン2の練習生は、前シーズン以上に特別な存在かもしれない

――2019年12月にシーズン1が最終回を迎え、最終投票を勝ち上がった練習生11名がグローバルボーイズグループ「JO1」としてデビューしました。それから約1年半後の今年4月にシーズン2がスタートしましたが、予想より早い再始動で驚いたファンも多いと思います。

「プロジェクトの再始動は、JO1がアーティストとして確固たる地位を築いてから」という話も出たんです。でも、そうなると1年後、2年後レベルの話ではなくなってくるなと。それに、時間がたつほど、せっかく認知度が高まった『PRODUCE 101 JAPAN』のブランド力が弱くなってしまうと判断しました。なんなら新型コロナウイルスさえなければ、もっと早くに再始動していた可能性が高かったです。

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「コロナ対策は最重要案件でした」


――しかし、コロナ禍で大型プロジェクトを行うとなると相当苦労したはず。

本音としては、もちろんコロナが終息してから動きたかった。しかし、終息の時期はおそらく年単位になると予想していたので、もうコロナと向き合ってやらざるをえませんでした。シーズン2の企画段階から、コロナ対策は最重要案件でした。

――フェイスシールドやマスクの着用、アクリル板の設置などはもちろんですが、カメラに映っていない舞台裏でもコロナ対策に力を入れていると聞きました。

関係者は全員事前にPCR検査をしてから合宿に参加してもらいました。さらに念には念を入れて、練習生たちには合宿が始まる10日前から宿舎に来てもらって検査した後、いったん隔離生活を過ごしてもらい、それからまた再検査をして合宿を始めました。合宿が始まる前のこの10日間、練習生は基本的に部屋から出られない状態でした。リモートでのレッスンのほか、発声やダンスの練習などは部屋の中でも可能でしたが、それでも精神的にかなり大変な環境だったと思います。

過酷だったのは、合宿が始まってからもです。感染対策のためレッスン室への入室人数が限られているので、どうしてもシーズン1と比べると練習時間は短くなってしまったと思います。だからこそ、そうした厳しい環境の中でも高い完成度のパフォーマンスを披露する練習生たちにすごく感心しました。それもあってか、運営側からすると、シーズン2の練習生たちはシーズン1以上に特別な存在だと感じる部分がありますね。

■『PRODUCE 101 JAPAN』は例えるなら高校野球

――実は張さんも練習生と一緒に合宿所で生活していたそうですね。彼らを間近で見てどう感じましたか?

どの練習生も、ひたむきに取り組む姿勢が熱いしかっこいいんです!「たった数カ月で人間ってここまで変わるんだな」と本当にびっくりさせられました。技術面はもちろんですが、顔つきもまるで別人のように変化して、みんなうらやましいくらい輝いているんですよ。合宿中、練習生たちに何度も「僕が君たちみたいに才能があってあと30歳くらい若かったら、お金を出してでも『PRODUCE 101 JAPAN』に参加したかった」と話しました。

あとは、「一世一代と言えるチャンスの中で出会えた仲間を大切にしながら、一瞬の出来事でも最善を尽くしてほしい」ともよく伝えましたね。いい結果を残すことはもちろん大事ですが、何より悔いが残らないようにしてほしかったんです。彼らを見ていると、本当に「青春」だなと感じます。『PRODUCE 101 JAPAN』は、例えるなら高校野球で、練習生は甲子園球児です。本当にいい子たちばかりなので、思わず視聴者目線になって応援したくなります。

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「いや、知らないんかーい!」ってツッコんじゃいました。


――そんな熱い思いを持った練習生たちを指導するトレーナー陣もまた熱い人たちばかりです。

仲宗根梨乃さんと青山テルマさんは特に熱いです! 仲宗根さんなんて、多忙なはずなのにレッスンが終わった後も練習生にマンツーマンで指導していました。世界的なダンサー兼振付師に一対一で指導してもらえるなんて、すごく貴重な機会じゃないですか。あのジャネット・ジャクソンなどの振り付けを担当した人ですよ? そんな人から指導されているのに「え、仲宗根さんってそんなにすごい人だったんですか!」という練習生がいて......(笑)。思わず「いや、知らないんかーい!」ってツッコんじゃいました。

テルマさんは、入浴剤の差し入れをしてくれたことが印象的でした。練習生たちへの気遣いが素晴らしいんです。「マーテル」という愛称で親しまれていますけど、もうみんなの「母」的な存在です。僕自身も練習生たちを間近で見ていたので、そこまで真摯(しんし)にプロジェクトに向き合ってくださったトレーナー陣には感謝しかありません。

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「息子を見ているような気持ちになって」


――シーズン1のプロジェクトリーダーを務めた崔信化さんも「親の気持ちになる」と言っていました。

僕は今年で50歳なんですけど、実際のところ、自分の子どもと練習生たちの年齢はほとんど変わりません。だから、息子を見ているような気持ちになって、感情移入しそうになることもありました。でも、運営としては、あくまでも客観的な立場でいなければならない。本当にもどかしい気持ちでいっぱいでした。

なかでも一緒に合宿をしていたときは、「自分が彼らにできることは、こんなにも少ないのか」と、とにかく歯がゆかったです。練習生の生活のケアは全て運営スタッフが担当していたので、僕にできることといえば「頑張れ」と励ますことくらいでした。

――公平な立場でいなければならない一方で、親心もあって、かなりの葛藤を感じそうですね。

練習生ひとりあたりの放送時間の分量は、特に悩ましい問題でした。1回あたりの放送時間が決まっているので、毎回泣く泣くカットしていました。あるとき、練習生のひとりから「どうしたら分量をいただけますか?」とストレートに聞かれたことがあって、すごく困りました。運営側としてはあくまでも平等なのですが、やはり練習生自身は自分たちの見え方というものを相当気にしていて、みんなそれぞれカメラに映るために工夫していたはずです。

――国民プロデューサーも「もっと推しMENに分量を!」と同じ気持ちだったと思います。

本当、こちらとしてもかなり心苦しい! それもあってシーズン2では、デジタルコンテンツを強化しました。シーズン1に比べると、さらにものすごい量のコンテンツを作っています。本編で惜しくもスポットライトが当たらなかった練習生たちにデジタルコンテンツ内で存分に魅力をアピールしてほしい一心でした。そのため、企画モノは基本的にひとりかペアにして、練習生みんなが同じ分量になるようにしています。

グループやペアのメンバーは運営スタッフが決めていて、みなさんご存じの通り、最初のレベル分けテストは地域別を軸に考えました。ちなみに、以降の企画モノのペア分けは、練習生たちを間近で見ている運営スタッフの意見を参考にして決めました。「この子とこの子は仲がいい」「この子とこの子をペアにすれば面白そう」といった意見は、すごく興味深かったです。

■"国プ"の高い熱量は、どこから沸いてくるんだ!?

――国民プロデューサーたちのネット上の声もかなり参考にしていたそうですね。SNSをこまめにチェックしていたと聞きました。

『PRODUCE 101 JAPAN』はファン参加型の番組である以上、国民プロデューサーの考えを知ることは大事です。熱心な国民プロデューサーの方々は、運営が考えもしなかったところに目をつけていますし、コンテンツ作りの参考になることが多かったです。SNSを見ていると圧倒されますね。この高い熱量はどこから沸いてくるんだろうって(笑)。

――シーズン2は、デジタルコンテンツの多さもそうですが、新しいシステムが多数導入され、番組全体で何か新しいことに挑戦しようとする心意気を感じます。

本家の韓国版では、前シーズンを超えるために毎回何かしら工夫されてきました。それは日本版でも同じことです。今回のシーズン2では、新たな試みとして「オンタクト能力評価」(ダンスや歌唱などのコンテンツ映像をオンラインで評価するシステム)や「グローバル評価」(国外在住の"グローバルプロデューサー"を対象とした評価システム)などを取り入れました。でも、新しいことをしたからといって、必ずしもいい反応ばかりではないので難しいところですね。

――熱いファンが多いぶん、時に練習生たちをめぐるSNS上の言説が厳しくなりすぎてしまうこともあったかと思います。

練習生個人への誹謗(ひぼう)中傷は見ていてつらかったです。もちろん、番組に参加するにあたって、それぞれの練習生に過去の問題行為などがないか入念に確認し、本人にも承諾書を書いてもらっています。しかし、事務所に所属していない彼らの過去にどこまで踏み込むかは、大変難しい問題でした。SNSは優れたプロモーションツールではありますが、その反面、使い方次第では恐ろしいものだと再確認しました。

■運命としかいえない縁で結ばれた、奇跡のようなグループ

――いよいよデビューする11人が決まります。新たに誕生するボーイズグループには、どんなビジョンを持っていますか?

「グローバル」がキーポイントであることは間違いありません。ただ、具体的なコンセプトに関しては正直な話、まだ頭を悩ませているところです。先輩グループのJO1に限らず、すでにさまざまなアイドルが世界で活躍している。そのなかで新グループとして羽ばたくためには、どういったポジションを確立させていくべきか......。まだまだ考えることがいっぱいです。

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「このグループがいかに奇跡が集まって誕生したのか実感してほしい」


――デビューが決まったメンバーには、どんな言葉をかけたいですか?

JO1誕生のときから感じていることですが、このプロジェクトで選ばれた11人って、運命としかいえない縁で結ばれた子たちだと思うんです。このグループがいかに奇跡が集まって誕生したものかということを本人たちに改めて実感してほしいですね。それを踏まえた上で「これからみんなで頑張って世界を目指そう」と伝えたいです。

――ちなみに、国民プロデューサーの中には早くも『PRODUCE 101 JAPAN』シーズン3に期待する声も出ていますが......?

正直、僕はもう一生やりたくないです(笑)。『PRODUCE 101 JAPAN』自体、今後続くかは何も決まっていません。人間に寿命があるのと同じく、番組も永遠にあり続けることはないと思っています。ネット上でウワサされていたガールズグループ版についても未定ですね。「次回に乞うご期待!」と言いたくはありますが......。次回があるとしたら、僕はプロデューサーではなく純粋な視聴者として楽しみたいです(笑)。

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『PRODUCE 101 JAPAN』シーズン2・プロデューサーの張赫珍氏


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■『PRODUCE 101 JAPAN』とは?
プロデュース101(ワンオーワン)は、日本のエンターテインメント界で過去最大級の番組制作規模で行われる巨大プロジェクト。"国民プロデューサー"となった視聴者の投票により、101人の練習生の中から選ばれた11人だけが、ボーイズグループとしてデビューできる。2019年に行われたシーズン1では、最終投票を勝ち上がった練習生11名がグローバルボーイズグループ「JO1」としてデビューした。2021年4月より、同プロジェクトのシーズン2を実施中。

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(取材・文/藤原利絵@HEW
(撮影/ナカムラヨシノーブ)