極意は「火を食わせる」にあり! "鰻の神様"緒方弘の職人魂『情熱大陸』

2021/7/21 16:12

全国を食べ歩いた鰻(うなぎ)好きが「日本一うまい」とたたえる店が福岡・小倉にある。「田舎庵」3代目店主、緒方弘は "鰻の神様"とも言われる職人だ。

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『情熱大陸』鰻職人・緒方弘


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30年かけてたどり着いた焼き方は実に独特で革新的。これでもかと言うほど串を打ちバタバタと何度も折り曲げる。さらには、熱々の鰻に冷水をぶっかけてしまう。しかし、目を疑うような手順で焼き上げた鰻は皮はパリッと香ばしく、身はふわっとやわらかい。折り曲げることで無数の裂け目を入れ、皮の下にあるゼラチン質を焼き切り、水をかけることで表面を焦がし過ぎずに中心までしっかり火を入れているのだ。緒方曰く"鰻に火を食わせる"調理法。「料理は科学」と語り出したら止まらない。

今では全国から客が訪れ、著名人にもファンが多い。しかし名声に浮かれることもなく緒方は言った。「昔の鰻はもっと美味しかった。最近の鰻はまずい」現在、市場に出回っている鰻の99%以上が養殖。近年は生産効率が追求され、天然鰻なら2~3年かかるところを、稚魚からわずか半年で出荷できるようになった。そして早く太らせるために、人工的に油を混ぜたエサが与えられている。緒方に言わせればこうして作られた養殖鰻の味は、かつて主流だった天然鰻とは比べものにならないと言う。

今、養殖鰻の改革は緒方にとって大きなテーマ。足しげく養殖業者の元へ通い「天然に近い環境で、もっと美味しい養殖鰻を作ろう」と訴え続けている。

そんな鰻職人の日常はどこまでもパワフルだ。店を出れば江戸時代から続く伝統漁に挑み、休日には体力づくりも兼ねてウインドサーフィンを始めた。聞くと「7歳の孫に自分の勇姿を見せつけたい」のだそうだ。「鰻のためにできることは山ほどある。まだ富士山の5合目くらいかな」そう笑う74歳の溢(あふ)れ出る鰻愛を垣間見た。

■緒方弘(おがた・ひろし)
1947年福岡県生まれ。大学時代は1年間、世界中をヒッチハイクで旅して回った。卒業後は一般企業に就職。アメリカでの海外勤務を経て「田舎庵」三代目店主に。料理経験など全くない状態から独学で"日本一うまい蒲焼(かばやき)"を追い続けてきた。現在は長男、次男とともに店を切り盛りしている。

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(文/トレンドニュース編集部)