【インタビュー】JYOCHO「自分と世界の折り合いをどうつけていくか」

2022/2/24 12:00

動画配信サービス「GYAO」、ストリーミングサービス「AWA」のフォローアップのもと、日本工学院専門学校の学生がアーティストインタビューを行う、ネクストブレイクアーティストをプッシュするコラボレーション企画『G-NEXT』。

今回の選出アーティストは、日本のみならず海外へも躍進中の京都発プログレッシブポップバンド「JYOCHO」。世界基準の音を鳴らす彼らは2022年2月16日に、3年ぶりとなるアルバム『しあわせになるから、なろうよ』をリリースした。Spotifyの月間リスナーでは名だたるアーティストにも引けを取らない注目株である。そんな彼らにメンバーとの関係性や制作スタンス、海外での反響を受けての姿勢について訊(き)いた。

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JYOCHO


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――まず「JYOCHO」というバンド名ですが、どのような意味合いが含まれてますか?

だいじろー : 僕がつけたんですが、海外にも通じる日本の良さを伝えたいっていうのがありました。「JYOCHO」って漢字の「情緒」なんですけど、その趣やワビサビ感とかを音楽で表現していけたらいいなって思ってます。

――お言葉通り海外でも活躍されていますが、JYOCHOならではの魅力とは?

sindee :変拍子みたいに楽曲の中ではテクニカルなことをやっていても、歌の良さやメロディーラインはすごく大事にしていて、ジャパニーズロックやポップスに落とし込んで聴けるっていうのがミソです。そして、ライブでそれを表現していくっていうところに重きを置いているので、ライブに魅力があると自負しています。あとはフルートがいるので、それも特徴ですかね。

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――今作『しあわせになるから、なろうよ』についてお訊きしますが、まずタイトルに込められている思いを教えてください。

だいじろー :コンセプトは、自分を大切にしていくためにはどうしたらいいのか? っていうような哲学的な問いや、自分発信のミクロな部分を出発点として、そこから周りの世界とどうやって混ざり合っていくか、自分と世界の折り合いをどうつけていくかということをイメージしています。

――シンプルな言葉に見えましたが、とても深いんですね。普段、作品作りはどういった流れで構築していくのでしょうか?

だいじろー:作る必要がある時に作る感じなのでストックとかはなくて、ボツとかもない。作曲には時間をかけたくないので大体1〜2日で作ってますね。短期集中で楽曲として完成するまで作業が終わらないし、長引くと楽曲に飽きてしまうので。

――作曲に関して、メンバーが意見を出したりすることはありますか?

だいじろー:デモを出したときに各パートでコミュニケーションはとります。時がたつにつれてアレンジとか仕上がった完成形がデモと大きく変わってきていて、メンバーの力はすごく感じています。

sindee: だいじろーと相談しながらアレンジを詰めたりするんですけど、前は正直ちょっと苦痛なこともありました(笑)。今まで自分が経験してきた作曲方法や自分にはないアイデアが多かったので、最初はすごいびっくりしました。でも今はそれを楽しめるようになりましたね。

――はやしさんは、バンドにフルートを入れると聞いたときはどう思われましたか?

はやしゆうき(以下、はやし):だいじろーとは前から知り合いで作品の雰囲気は知っていたんですが、私が正式にバンドに参加するっていうのは録音の一週間前くらいに決まって。イケるって思ってふたを開けたら、難しいってなって...(笑)。その延長線上で今も頑張っています。

だいじろー:当時、吹いてもらった時にめちゃめちゃ感動した覚えがあります。

はやし:うそー、言ってよ! そのときに。

――(笑)。だいじろーさん的に猫田さんの歌声の良さを引き出すために意識していることって何かありますか?

だいじろー:もともとJYOCHOのボーカル像としては、めちゃめちゃ高い声が出るとか一音一音を一切外さないとかではなくて、どっちかっていうと中性的な声がいいなっていうのがあったんです。それぞれ聴いた人に答えが出るような楽曲にしたくて。ライブハウスの弾き語りで初めて声が聴こえてきたときに、スッって入ってくる感じですごいいい声だなって思った記憶があります。望んでたボーカル像に合っていて魅力を感じましたね。

――猫田さんは歌う際に何か意識はしているのでしょうか?

猫田ねたこ(以下、猫田):歌い手さんっていろんなパターンがあると思うんですけど、歌が一番目立つっていうよりかは、だいじろーさんが作った楽曲の世界観をそのまま余計な装飾をせずにストーリーテラーになるというか、そのままサラッとじゃないけど派手にならないようには気をつけてます。もともと自分が得意なキーより高めのキーをリクエストされるので(笑)。難しいことはいっぱいあるんですけど、シンプルに、素朴に、ナチュラルに。聴いてくれた人が自由に受け取れるように、派手にならないように、そのまま語り部みたいな感じで歌うようにしています。

――リード曲の「みんなおなじ」は、テレビアニメ『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』のエンディングテーマですが、決まったときの率直な気持ちを教えてください。

だいじろー:最初に資料を見させてもらった時に、今作りたいと思ってた楽曲のイメージとのハマり具合がとても印象的でした。その当時、"みんなの歌"を作りたいと思っていて、この社会の状況とか情勢とかもあって、その感覚がすごく嬉しかった記憶がありますね。

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――ライブについても伺いたいのですが、初ライブがカナダですし海外活動へ積極的に映りますが、日本との意識の違いとかはありますか?

sindee:地域の環境や人種の違いで盛り上がりが全然変わるので、感情的に違うところはありますね。僕たちが発信した音をそのまま素で受け取ってくれるので、その反応が面白くて楽しめるというか。日本でも素だけど、同じ生活感だからか意識が固くなったりとかはしますね。

猫田:ボーカル的には、圧倒的に違うのはやっぱりテンション感ですかね。海外の時はテンション上げ目でやってます(笑)。インスト曲のギターラインを歌ってくれたりしますから、シンガポールとかフィリピンとか。あれがすごいびっくりした。

だいじろー:海外の人は結構パーティピーポーが多くて反応がわかりやすいんですよ。フルートのパートで合唱したりとか楽しみがいっぱいありますね。日本とは違う聞き方があるんだなって感じがします。

――なるほど、楽しそうですね。では最後の質問になりますが、あなたにとって音楽とは?

はやし:わたしはJYOCHO以外にもいろいろ活動しているんですけど、音楽は普通に生活してる時に無意識に一緒にあるものだと思ってる。好きな人には聞いてほしいし、その曲に何も思ってない人にも生活の一部として実はいつもあるよっていうのを届けていきたいです。

sindee:生きてきて半分ぐらいはずっと音楽がそばにあったというか。自分で選んで音楽をしたいっていうことで携わってきたので、僕にとってはある意味コミュニケーションのひとつで"言語"と同じようなものというか。すごく大切なものなので、発信していくことを止めないようにしたいなっていう感じです。

猫田:すごくシンプルで深い質問ですね(笑)。わたしにとっての音楽は、一言で言うと"支え"かなって思います。JYOCHOは背中を押すというよりかは月みたいに見守ってくれて寄り添う感じのバンドかなって思っているので、今後もっとたくさんの人の支えになればいいなって。で、自分の支えでもあるのでこれからもずっと音楽には触れて生活していきたいなって思ってます。

だいじろー:大まかには 2つあると思ってて。ひとつはsindeeさんとかぶるけど、言語。JYOCHOでやってることっていうのは基本的に自分で言語化できないことを歌詞にしてるけど、歌詞だけでは無理で音楽を通してメンバーと一緒に伝えるみたいなことを目指しています。もうひとつは、一人一人見えてる世界が違うってことは、その違う人同士が音楽をやれば世界同士がぶつかるという考えを持ってて。なので、音楽は自分以外の世界を見つけるツールだと思ってます。

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■商品情報
2022年2月16日リリース No Big Deal Records

■JYOCHO(ジョウチョ)
だいじろー(Gt&Cho)、sindee(Ba)、猫田ねたこ(Vo&Key) 、はやしゆうき(Fl) の4人からなる、京都発プログレッシブポップバンド。美しく作り込まれた緻密な楽曲、高い演奏技術が世界で高く評価されており、日本語詞の楽曲な がらSpotifyではその多くが海外リスナー。 全体の約3〜4割が米国リスナーになっており、世界基準の音を鳴らすバンドとしてワールドワイドにファンベースを拡大中。JYOCHO初のライブはカナダイベントで、他にもアジア・北米の国々から招聘を受ける。2021年9月にはPorter Robinsonによる米国フェス「Second Sky Music Festival」に 招聘(しょうへい)されるなど、世界のミュージシャン、イベンター、音楽ファンから大きな注目を集めている。

■トレンドニュース「視線の先」 ~築く・創る・輝く~
エンタメ業界を担う人が見ている「視線の先」には何が映るのか。
作品には、関わる人の想いや意志が必ず存在する。表舞台を飾る「演者・アーティスト」、裏を支える「クリエイター、製作者」、これから輝く「未来のエンタメ人」。それぞれの立場にスポットをあてたコーナー<視線の先>を展開。インタビューを通してエンタメ表現者たちの作品に対する想いや自身の生き方、業界を見据えた考えを読者にお届けします。

取材:片野咲貴、木藤海斗、中村咲愛(日本工学院専門学校 コンサートイベント科)

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